前略、並行世界を生きる

弐

　そんなメンタル面での葛藤と戦いながら、大学生活を送っていました。次から次へと課題を出してくるゼミに加えて、通常の講義も文学系統の科目を多く入れていたので、とにかく日々レポート漬け。充実し過ぎて大変な一方、とても楽しかったですが、先述の理由で体調はやや不安定でした。

　そういう日々を経て学んだことと言えば、創作の技術面はもちろんですが、それ以外は自分の好き嫌いの感覚でしょうか。

　講義では、本当にたくさん本を読みます。当たり前ですが、自分が全然知らなかった作品にも触れます。そうすると、自分が予想外のものを好きで、予想外のものを嫌う現実にいくつも直面しました。出会いと気付きをいくつも繰り返していくたび、自分だけの確固たる信念と言いますか、核が形成されていく心持がしましたね。

　学びは奥が深いです。