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━━━━シロside
「わり、遅れて。
大丈夫だった?」
ミキとミツがくっついたであろう翌日
ミツが珍しく午前半休を取って、お昼頃に出社した。
詳しい理由は聞かなかったけど
ミキとイチャイチャするためとかだったら
ぶっ飛ばそうと思ってる。(冗談だけど)
「大丈夫だったよ~。
なにしてたの?休み取るなんて珍しくない?」
「あぁ、うん、ちょっとな」
「ちょっと、ってなに?」
「ちょっとはちょっとだよ」
「はーん、そうやって俺に隠し事するわけ?
ふーん、へぇー。」
俺がどんだけ二人に貢献したと思ってんだい。
それがミツからは感謝の”か”の字も感じらんない。
信じらんない。
「別に隠してるわけじゃねぇけど…、
彩月に会ってきただけだし」
「え?彩月姉ちゃん?」
「そう。返事断ってきた」
「……ふーん、」
ミキとイチャイチャするためどころか
ちゃんとミキのために半休まで取って、区切りつけに行ってたのか…。
なんだよ、もう。
とことんかっこよくてむかつく。
「シロもありがとな。
お前のおかげでなんとかミキを引き止められたわ」
「ほんとだよ。
もっと感謝してほしいくらいだよ」
「よし、今度肉を奢ってやろう」
「いらない、いつも奢ってもらってるし」
「そうだよお前、
いつも奢ってやってんだから俺こそ感謝してほしいわ」
「…ずれてるずれてる、論点ずれてる」
でもまぁ、ミツのその顔を見ればわかる。
昨日あのあと充実した夜を過ごしたんじゃないかって。
「ミキとはどうだったの?
ラブラブした?濃厚な夜だった?」
「なんだよそれ」
「気になるじゃん?
ペットから恋人になったわけだし」
「まぁ……、」
ここでミツがデレるかと思いきや
眉間にシワが寄って、ドカッと乱暴に社長椅子に腰掛けた。
「え?してないの?」
「・・・」
「なんで?」
「・・・」
黙りこくるミツに不穏な空気を感じて
思わずニヤける顔を抑えつつ、目の前まで近付いた。
「……断られた。」
「へ?」
「しようとしたら断られたんだけど
あいつ、どういうつもりだと思う?」
視線を俺と合わせずにもじもじとそう相談してきたミツが可愛すぎて
思わず吹き出して笑うと、顔を赤くして
笑うんじゃねぇ!って怒りだしてまた可愛いし。
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