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━━━━ひろside
「………ただいま、」
「おかえりなさーい」
昨日拒否られたこともあったし
シロにさっき仕方なしに相談したら爆笑されて結局解決法なんて教えてくんなかったし
むすっ、としたまま家に帰ると
いつも通りのミキがいた。
おいしい匂いと、暖かい部屋。
明るい部屋と、笑顔のミキ。
「なぁに、その変な顔」
「元からこんな顔です~」
「ふぅん、そうだっけね」
「おい、もうちょい突っ込めぇ!」
「へへ、ご飯食べよ!お腹空いたぁ!」
むくれてる俺に気付きながらスルーして
飯の準備をして、さっさと定位置に着く。
それに合わせて俺も
着替えて、手を洗って定位置につく。
「「いただきまーす」」
少し上達してるミキの飯をもぐもぐしながら思うことは
”ペット”と”彼女”の接し方。
よくよく考えてみたら
何をどう変えればいいのか全然分かんねぇ。
「なぁ、」
「ん?」
「ミキはどうされたいわけ?」
「え?なにが?」
「ほら、彼氏になんかされたいとかあるんじゃねぇの?」
関係が変わったからには
あれがしてほしい、これがしてほしい、とか
”彼氏”というものに対する欲求が少なからずあるんじゃねぇかなって。
「え…、別にないけど。」
「は?ねぇの?」
「逆にひろはなんかあるの?
ペットから彼女に変わった私に対して、してほしいこと」
「それは……、」
お前が昨日拒否ったこと。
それ一択しか思い浮かばないんすけどね。
「………キス、」
「え?」
この欲求まみれの気持ちをどう伝えたらいいかと悶々と考え込んでると
不意に小さく聞こえたその声。
「キス…は、ペットの時からしてたけど
それ以上はしてなかった、でしょ?」
「……う、ん…?」
いや、キス以上もしたけど
なかったことにしとこう。
「だから、彼女になったからには
そういうこともしたいとは思うよ…?」
「はぁ?じゃあなんで昨日、
「昨日はやだったの!」
「昨日はやだった…?」
「なんか嫌じゃん…、
彼女になったことだし早速やっときますか。みたいなさ」
「別にそんなつもりねぇけど」
「私にはそんなつもりに見えたんだもん」
「そ、れは……、」
「それは?」
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