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━━━━━ミキside
「………いやだって、しょうがねぇだろ?
俺だって男だし、どんだけ今まで我慢したと思ってんだよ」
「……がまん?」
「そうだよ、ほかの女と遊びもせずに
手も出せないペットと一緒に寝てさ」
「……我慢してたの?」
「だからそうだっつってんだろ」
「我慢、してたんだ…」
「………なんだよ?」
あの時も、あの時も、あの時も。
一緒に寝てた毎日を思い出して
ひろが我慢してたなんて思うと、思わず可愛くて
「あははっ、うそっ、我慢してたの?」
「おま、笑うんじゃねぇっ」
「あは、だって可愛いっ!」
あんな平気な顔してたくせに
内心ちゃんとそういう感情を持ってくれて
我慢してくれてたなんて。
「…ったく、なんだよシロといいミキといい…
何で笑うんだよ…」
ブツブツと不貞腐れちゃったひろに
そっと隣に場所を移動して、
「………今日は、いいよ。」
恥ずかしいから顔が見えないように抱きついて
私の本音の精一杯の気持ち。
「………まじ?」
「………まじ。」
半信半疑なひろが私を少し離して
至近距離で視線を交わす。
「じゃあ……、遠慮なく。」
まだひろは箸も持った状態なのに
そのまま唇を重ねてきて
ひろが飲んでるビールのアルコールが口いっぱいに広がった。
「ま、まって、お風呂とか入って、
「無理。待てねぇ。」
「ちょっ、やだからっ」
「いいよ、って言った」
「今すぐいいよ、って言ったわけじゃな───、
キャンキャンしてる私を黙らせるひろの必殺技は
とろけるような甘い大人なキス。
「……すきだよ、ミキ」
同じキスでも、気持ちを伝えられるって大事。
「わたしも………、
すき、だ、にゃーん」
「………にゃん、ってなんだよ」
「にゃんにゃん、にゃーん」
「にゃんにゃんプレイっすか?」
「ひろ好きそう、そういうプレイ」
「ばーか」
元ペットと、元ご主人様らしく
にゃんにゃんプレイな夜を過ごした……、
かにゃ?
────END.
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