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 何度か季節は巡り、またあの穏やかな風の吹く頃。ランドセルを背負うようになっても、相変わらず草太はお母さんより小さいままだった。  もうすっかり大人になった私としては、たまにかまってくれれば良くて、普段は放っといて欲しかったのに。お子ちゃまな草太はいつでも私を追いかけ回して、膝の上に乗せたがるし、撫でたがるし、喜ばせたがるものだから、うんざりした。  撫でても良い時は「今が遊びどきだよ」の合図で宿題のプリントの上に寝そべって教えてあげたのに。そんなときに限って、こちらが悪いみたいに邪険にされた。  思いって、なかなか通じない。  あまりのもどかしさに、冷たい態度を取ったり、普段は隠している爪をちょっとだけ立てたり、軽く噛んで指導したこともあったけれど。ごめんね。一度だって、草太を嫌いと思ったことは無かったよ。  いつだって変わらず大好きで、こんなに長く子供でいなくちゃいけないなんて、人間って不便で頼りない生き物だな、私が守ってあげなくてはいけないなと、愛おしく思っていた。
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