1194人が本棚に入れています
本棚に追加
「あなたー、ご飯よ」
ママの大きな声で、キッチン脇の廊下から背広姿のパパがやってきて、席についた。
「昨日は学校どうだった?」
ママがエプロンを外しながら席についた。
「友達ができた」
「本当に?! すごいじゃない」
ママの顔を見た。ママは笑顔だった。つまり、僕は褒められたのだ。友達ができることは良いことなのだ。
「じゃあ、今日もお勉強、がんばってきなさい」
食事を終えると、僕は自分の部屋に戻った。
ベッドに乗っかった。デスクの上のVRヘッドセットをとって自らの頭に被せた。電源ボタンを押した。そしてベッドに寝転んだ。
視界に学校の正門が見えた。
(続く)
最初のコメントを投稿しよう!