(三)

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 デニスの家は僕の家からは駅を挟んだ反対側で、駅から遠くはなかった。  玄関で靴を脱いだ。上履きがなかった。デニスは靴下姿で玄関を上がっていた。僕もそうした。  階段を上がり二階に来た。デニスの部屋に入った。  白い壁、白いデスク、白いベッド、白い寝具。白を基調とした部屋だった。  デニスはベッドに腰掛けた。そして僕を隣に座るように手で促した。僕はそうした。 「さっき聞いたわよね。私は女性って」 「デニス君は女性なの?」 (続く)
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