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「俺…だったよな。夢じゃ、なかった。結末は違ったみたいだったけどな」
目の前のモニターは、またゲーム画面へと戻っていた。
しかし、そのゲーム画面から俺のキャラは消えていて、3人のキャラだけがいた。
俺は、全てを理解した。
トラックに挟まれて死んだのは、俺だった。
俺は、アルバイト先からいつもと同じように帰ってきてはいなかった。
唯一、昨日から繋ぎっぱなしだったオンラインゲームへは入ることができた。
俺が最後に見た3人の楽しそうな姿。
俺は、3人に伝えたかった思いを、言葉にした。
「Yasu.、Mookin、Dog67。ありがとう」
俺がそう言うと、3人それぞれが何か話そうとしていたが、そのまま俺はログアウトをして、オンラインゲームからも去った。
3人共俺に最後に話したい事があるのはわかっていた。
でも、この世界ではオンラインはその為のものではない。
人と人とが繋がる為の物。
今の俺は、オンラインじゃなくてもいつだって繋がれる。
同じオンラインゲームで繋がっていたあの3人なら、わかってくれると思い、俺は今の俺が帰る場所へと戻ることにした。
終
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