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✴︎魔女の家✴︎
曲がりくねった森の小径を、ずんずん奥へ歩きましょう。
どのくらい歩いたでしょう。屋根の素晴らしくひしゃげた、古くて小さな家がありませんでしたか?
ねじくれた煙突から、楽しげにポッポッとけむりが出ています。古い木枠の窓から、中を覗いてみましょうか。
薄暗い部屋には、ろうそくがいくつか灯されています。天井まで届く古い本棚には、本がぎっしりつまっています。反対側の薬棚には色とりどりの薬びん。暖炉では、大きな銅のお鍋がぐらぐらと煮えていました。
おや?足元を何かがかすめました。夜の色をした黒ねこです。黒ねこの後をつけてみましょうか?
古びた木のドアには、ぴかぴかに磨かれた大きなすずが下がっています。どうやら呼び鈴のようです。玄関扉の横には大きな箒がたてかけてあり、黒ねこは箒の傍で休んでいます。その横には小さな丸椅子があって、看板のようなものが置かれています。ですが、見たこともない文字で書かれているので、残念ながら読めません。
その椅子の下には、ネトルが群れを成しています。ご注意くださいね。この葉はさわると、ちくちくしますから。
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