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別にいい。
こくこく
ぎゅっと抱きしめて頷けば首筋に落ちる唇。
「…、だいすき」
ちゅっ
少しずつ顔を上げれば唇が重なった。
彼との行為は行為の前にめちゃめちゃにされて、
行為中は甘く溶かされる。
ハマったら絶対抜け出せない。
「はは、なに?」
じっと見つめればまあるく笑むサファイア色。
「…」
「ふふ、もう一回しよ?」
静かに顔を近づければまた優しい唇が落ちて。
こくり
頷いてしまえばもっとぎゅっと抱きしめられた後に髪をくしゃくしゃに撫でられた。
♢♢♢
「…ん」
瞼に明るさを感じてそろそろと目を開ける。
カーテンが閉まっているけれど漏れた朝日が暗い部屋をぼんやりと明るくしていた。
「…」
あぁ
段々と目が慣れてくれば見えてくるのは相変わらずふわふわのはちみつ色と、長いまつ毛、綺麗な顔。
それから気がつくのは腰に回っている大きな手。
大好きな綺麗な指。
すぅすぅと気持ちよさそうな寝息を立てているのに私のことを離さないというかのようにぎゅっと抱きしめているのだ。
そろそろと
優しい手に自分の手を重ねて息をつく。
これは彼の癖なのだろう。
初めて一緒に眠った日から目を覚ませばこんな風に抱きしめられていたことを思い出す。
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