音楽家の2020年

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 僕を含めたクラシックの音楽家にとって、2020年ほど価値観の変化を迫られた年はなかったのではないだろうか。  緊急事態宣言が出された時期、全ての舞台の予定がなくなり、外出もままならなくなった音楽家は、表現活動の場をインターネットに求めた。  コロナ以降にユーチューブで個人のチャンネルを開設した人数は、知り合いの音楽仲間だけでもおそらく百人は超えると思う。  僕もその中のひとりだ。  音楽家個人の動きだけでなく、コンサートのあり方にも変化があった。  これまでは、演奏会場に足を運んで楽しむというというのが前提だったクラシックのコンサートに、インターネットを活用して生配信をするという選択肢が加わってきた。  現在では配信用にワイファイを使えるようにした会場や、ビデオカメラや配信機材を備えた会場などが増えてきており、今後もこの流れは加速するように思う。
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