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真実を話さない里美。 知っていても、それを話さない僕。 「里美は、僕と居て幸せだと少しでも思った?」 「……」 「もう帰って良いよ。 この事務所も数日中に移転する」 「奏、愛しているの」 「その言葉の意味を分かってる?」 「意味?」 「愛しているなら、もう2度と僕の前に現れないで」 「私を助けて欲しい」 「もう会いたくないんだ。 どんな理由があっても助ける気持ちもないよ。 僕に嘘をついたのだから」 本当は里美の口から全てを話して欲しかった。 なのに、それを話さず違う事を言う里美の事が分からなくなった。
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