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ソファから立ち上がり、ノートパソコンをカバンに入れた僕。
貴重品は、事務所には置いてない。
鍵をかけずに出て行っても、僕が困る事はない。
僕には女性を見極める力が欠けていただけ。
「結婚詐欺をするなら別の人にしてくれないかな?」
葉君と蓮君が居るのに『お兄さんってなんか怖い』と美里が言った時に、僕は見極めるべきだった。
辞表を出したのではなく、臨時講師期間が終わっていた事を、もっと早く調べておくべきだった。
井ノ原さんは、あくまでも弁護士の目線で調べるだけ。
それだけを信じていた僕が間違いだった。
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