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第一章 青花夕莉
今日も頭痛で目が覚めた。寝返りを打っても頭は痛くなる一方なので、あきらめて起きる。時計を見た。深夜二時半。家族を起こさないようにゆっくりとベッドから下りて、自室を出る。ズキズキと痛む頭に手を当てながら、夕莉はリビングルームへと向かった。
冷蔵庫から麦茶を取り出し、コップに注いで飲む。分厚い遮光カーテンを開け、マンションの上階から見える東京の夜景を眺めた。ベランダに出ようかとも思ったが、まだ肌寒い四月の始めの夜なので、部屋の中で見ることに決めた。
頭痛がひどい時には、街の夜景を見ると落ち着いた。
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