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ホテルの部屋のベットの上
男ふたりで俯いたまま正座して固まっているこの状況だったが、俺のため息で破られることとなった。
この状況に至った経緯は遡ること数時間前...
______俺の名前は、藤田 真小さな街の小さな居酒屋でバイトをしている。
俺と店長は仲良しで、よく居酒屋メニューとか言って俺の名前を使ってメニューを作ってくれていた。
調理も担当するし、ホールも担当するからだ。
高校時代からバイトをして、長い付き合いなので楽しんでいる。
店長は、まだ若く30代でユーモアセンスもある。
顔はキレイめで、短髪が良く似合う。鼻筋はスラッとしており、背は低め。
「なぁ、マコトくん。今度さー新しいメニュー考えたんだけど、これどう思う?」
見せてきたのは、手書きのメニュー表だった。
店長の字は男ながらとても綺麗な字を書く。
俺はその字がとても好きだった。
「えー、なんすかー?ふむふむ...」
そこには、手書きで
『たこわさ ¥400』
『真たちぽん酢合 ¥680』
『真の特製ソースがけトンカツ ¥580』
と書かれていた。
「真た、ちん...ぽ!?」
たちんぽってなんだ!?店長おれのちんぽどうするつもりなの!?
やだぁぁー、もしかして店長に食べられちゃう!?
「ええええ!?マコトくんなに読み違えちゃってるのお!それ、よく読んでみて!真たち、ぽん酢!だから!真たちって白子だから!」
あせって
「真...たち...んぽ....」
「だから違うってwよく読んでみ?真たち、ぽん酢だからw....おっ...じゃぁさ、何人間違えるか、掛けてみる?」
へらっと、店長の口角が上がる。
「えっ...」
「俺、間違えない10人」
開店し10人のうち何人間違えるか。ということらしい。
これ絶対間違える人多いっしょ。
「もし、10人とも間違えたら...店長どうしてくれるんっすか?」
「んーそうだなぁ....間違える人居たら、マコトくんに俺の体差し出しちゃうー♡」
店長は人差し指を唇に当てウインクした状態でニッコリと笑い俺に提案してきた。
俺は店長が好きだ。
ここで、バイトを始めた頃店長の笑顔に惹かれ、長年一緒にやって来て店長の温厚な優しさ、ちょっとイタズラ好き、ヤンチャで...だけど店員の事も(て言っても俺ともう1人いる)理解してきちんと叱ってくれたり、そして俺より背が低くて可愛いそういう所が好きだ。
「それ、ほんとにやってくれますか?」
真剣な眼差しで答える俺に対し、店長はびっくりしていた。
「えっ...マコトくんそれ本気?」
若干店長の顔が引きつってるようにも見える。
あっ...これ、やらかしたかんじ?
「いやっやっ「よぉぉーし!分かった!俺も男だ!1度言ったことは覆さない!10人だ!分かった!」」
俺がやっぱ辞めるという前に声を被せてきた。
店長...。
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