まる子にお任せ (プールサイド②)

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 私の名前は、山端まゆ子(やまはたまゆこ)。花の女子大生だ。  百七十五センチの長身に、透き通るような白い肌。二重のパッチリお目々で顔立ちもなかなかだと思う。  そんな私にみんなが付けてくれたニックネームは、"ベ◯マッ◯ス"。某人気映画で戦う介護ロボットとして活躍する主役キャラの名前だ。  長身、色白、キュートなお目々から、連想されたのだろう。ただ、せっかくのこのニックネームも、今ではあまり呼ばれなくなった。その代わり、"まる子"って呼ばれてる。まあ、ぶっちゃけ太ってて丸いからだろうな。  大学に入学してしばらく経った頃、一般教養の講義で闇属性の女の子を見つけた。  その子は大きな教室の端っこの席で、一人で大して面白くもない講義のノートを必死に取ってる。  うーん、顔立ちは意外とかわいいな。もったいない、芯に染み付いたネガティブオーラ。結構、深刻なレベルだな。このままじゃ、人生つまんないよ。仕方ないなぁ、発見しちゃった以上、放っておけないな。  そして私は、大して面白くもない講義が終わるや否や、彼女の元に駆け寄った。 「ねぇ、一人だと寂しいでしょ。友達になろうよ。私、山端(やまはた)まゆ子。でも、太ってるからまる子って呼ばれてるんだ」  たっぷり十秒くらい空けてから、はいでもイヤでもない微妙な返事を返してきた。こうして、むりやりに私はこの闇属性女、佐々木裕奈(ささきゆうな)と友達になったのだ。
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