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今年初めての雪が舞う。
神戸の街一面を覆う冬景色。もうヴァレンタインも近い。
思い出すのは一年前の今頃のこと。
ありったけの勇気をもって、あなたの好きなチョコレートとあなたに似合う碧いセーターを赤い顔して手渡した。俯きながら……。
あの忘れられない夜。その年初めての雪が舞い積もり、その翌朝、白い銀世界。
ふたり小さな足跡を揃えて、駅までの長い道を寄り添い歩いた。
それからの春夏秋冬。
巡る来る二度目の冬に、今こうしてふたり、じっと初雪を見つめている。
ちらちらと舞う粉雪は辺りを純白に染め上げ、その降りしきる初雪の中、ふたり帰る同じ家がある。
ふと振り返れば銀世界。点々と続くふたりの足跡。
その小さな足跡はきっと輝く未来へと続いてゆく。
あなたを愛して世界は色と姿を変えて、私は女の歓びに自分の生まれた意味を知った。
生きることは愛すること。
愛するあなたを守ること。
あなたの手の温もりとあまりの銀の目映さに、瞳は世界が滲んで見えた。
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