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【 第一話: お色気マドンナ登場! 】
『カシャ……』
「今日も、綺麗な夕日が見られそうだな……」
俺が、あの夕日で有名な刑事ドラマのように、捜査一課の窓から、ブラインドを人差し指で摘んで少しだけ下ろし、外の太陽を眺めていると、突然、署内がザワつき始めたんだ。
『ザワザワザワ……』
「みんなーっ! ちょっと、集まってくれーっ!」
書類を片手に、ボールペンを持ちながら、天に振る仕草。
それは、俺の直属のボスからの集合の合図だ。
「あ~、今日からみんなの仲間になってくれる人を紹介する」
こんな時期に、俺たちの部署へ配属とは、一体何事だ……。
俺は、捜査一課の『平波 解』。
もうこの仕事をして30年にもなる、いわゆるベテラン刑事だ。
署では、俺のことを皆、『平波警部』と呼ぶ。
そして、俺の相棒の名は、『新間 井手可』。
まだ、駆け出しの若造だが、非常に頭が切れる、俺の良き仕事の『相棒』だ。
「今日から一緒に仕事をすることになる『綾小路 羽似絵』くんだ」
そこへ、サングラスをかけたスタイルの良い女性が、颯爽と現れた。
彼女は、徐にサングラスを外すと、腰に手を当てながら、俺たちに堂々とこう言った。
「今日からお世話になります。『綾小路 羽似絵』と言います。みんな私のことを『ハニー』に呼ぶわ。よろしくね♪」
そのスラッとしたパンツスーツ姿の女性は、ジャケットを肩にかけ、髪を2つに結び、取ったサングラスを口に咥えながら、一度俺たちに向かって『ウインク』をすると、挑発するように、サラリとそう言ったんだ。
それを見て興奮した俺の相棒『新間』刑事が俺に向かって、小声で言う。
「(平波警部、超美人さんじゃないですか! スタイルも抜群だし、肌も透き通ってて、それにあの瞳、最高にかわいいですね!)」
「(バカヤロウ! 彼女を誰だと思ってるんだ!)」
新間の視線は、彼女に夢中だ。
「(えっ? 誰なんですか?)」
「(『綾小路 羽似絵』くん……。彼女は、警視総監の一人娘だ!)」
「え、ええーーっ!! 警視総監の娘さんですかぁーー!!」
「(バカ! 声がでかい!)」
思わず大きな声が出た新間の一言で、更に署内がザワつき始めた……。
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