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【 第二話: ハニーにメロメロ!? 】
すると、俺たちのボスが笑いながらペンを振り、皆に言う。
「そうだ。新間の言う通り、彼女は、警視総監の娘さんだ。今日から、平波警部の下で働いてもらう。平波、よろしく頼んだぞ」
「あ、はい。ボス、分かりました。しっかりと彼女を一人前に育てます」
俺がそう言って、頭を下げていると、彼女が俺たちの前に来る。
近くで見ると、スラッと背が高く、出るところは出ており、実に素晴らしい女性らしいプロポーションをしている……。
長身のパンツスーツに、パリッとした襟元の開いた白いシャツからチラリと見える胸元が、男たちの視線を釘付けにしている……。
「平波警部、お久しぶりです」
「ああ、元気そうだな……」
そんなやり取りを聞いていた新間が、俺たちの顔を2・3回交互に見たあと、驚いた表情を浮かべながら、すかさずこう言う。
「あれっ? 警部と羽似絵ちゃんは、知り合いなんですか……?」
彼女は、ニヤリと口角を上げながら、艶のある唇を輝かせ、新間に向かってこう言い放つ。
「平波警部は、私が小さい頃からのお知り合い。私の父とも仲がいいの」
「えっ? 平波警部は、警視総監とも仲がいいんですか?」
「ああ、まあな。警視総監とは、同郷なんだ。小さい頃によく遊んでもらったことがある」
新間は驚いていたが、ハニー刑事は机に凭れながら、そのスラリと長い足をこちらへ投げ出す。
2つに縛った髪を1回横に振り、その透き通るような青みがかった瞳の先が、新間に向けられている。
「平波警部は私の家で、小さかった私をよく抱っこしてくれたり、かくれんぼとかして遊んでくれたの」
「えっ? 『抱っこ』……? う、羨ましい……、あっ、じゃない。そんな仲だったんですね。二人は……」
「ああ、まあな」
「よろしくね♪ 新間先輩♪」
そう言う彼女の綺麗な瞳の上にある長い睫から発せられる強烈にかわいい『ウインク』攻撃に、もう新間はメロメロだ……。
「あ、ああ~、任せとけ……。俺が今日から君をしっかりと指導してやるぞ……」
新間は、そんなことを言って先輩面していたが、彼女を見つめる目が、漫画でよく見る『ハート型♥』になっているのが、俺はちょっと心配だ……。
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