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【 第三話: 犯人の足取りを追え! 】
すると、そこへ早速、事件の電話が鳴った。
『リリリリリリリリン……』
『ガチャ』
「はい、捜査一課! えっ!? 『殺人犯』が!? 分りました! すぐに現場へ向かいます!!」
「どうした!?」
「平波警部! 殺人犯がこの近くの大きなお寺へ逃げ込んだのを見たという、タレコミ情報がありました!!」
「何っ!? 『殺人犯』だと!? よし!! すぐにそいつの足取りを追うぞ!! ハニー刑事も一緒に行くぞ!!」
「(はい!!)」
そんな俺たちの前に、凶悪な『殺人犯』が突然現れたんだ。
そんな危険なやつを野放しにしておく訳にはいかない。そいつの足取りを徹底的に追う必要がある。
俺たちは、雪道の中、急いで車で現場へと向かった。
『キーッ!』
『バタン!』
「平波警部、ここです」
「んん、ここは随分敷地の広いお寺だな……」
「はい、かなりの広さがあるようですね」
「ああ。新間、ハニー、まずはこのお寺の住職に事情を聞くぞ」
「(はい!)」
俺たちは、殺人犯が目撃されたというこの大きなお寺の住職に、事情を聞くことにした。
住職は、見る限り俺と同じ50代か。丸坊主姿、銀色の丸縁のメガネをかけたずっしり体形の男性だ。
名前は、『御寺野 坊主』。
名前に若干の違和感を感じるが、俺が見る限りでは、非常に人の良さそうな住職だった。
「殺人犯を目撃したという情報があったんですが、心当たりはありませんか?」
「はい、私が檀家から戻ってくると、こんな恐ろしいことが書いてある手紙が、お寺の門の前に置いてあり、ふと見ると雪道の中に、犯人のものと思われる『足あと』があったんです」
「何? 犯人らしき『足あと』?」
どうやら、その殺人犯は、この広い敷地のお寺に『足あと』と『手紙』を残していったようだ。
住職からの話に、俺と新間は深刻な表情を浮かべていたが、何故だか、ハニーだけは、不思議に笑みを浮かべている。
さすがは、警視総監の娘だけのことはある。
殺人犯を前にしても、どっしりと肝が据わっている……。
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