第一話

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第一話

雨が降っている。 今は梅雨だったか、最近は雨が多い。 外に出るのが嫌になるほどに。 そういえば、今日は病院へ行く予定だった。 いつもの定期検診だけど。 また、悪化していなければいいけど、悪化していたら、また手術の話を持ちかけられるだろう。手術なんてしたくない。 だって、怖いから。誰だって怖いでしょ。 お金もかかるしそれならいっそ、もう慣れてきたし、このままでいい。 早く準備しないと、今は多分2時過ぎかな。 病院は3時だから、急がないといけない。 傘をどこへやったかな…。物が散らばっていて、お気に入りの傘をどこへやったか分からなくなった。とりあえず、どこにあるか分かるレインコートを着て、雨を凌ごう。 「こんにちは。」 「遅かったね、葉島さん。今日は何をしていたの?」 「今日はお家にいましたよ。ただ、時間が分からなくなってしまったので…」 「そうだったか、それならいいんだよ。」 「大場さんはお仕事お疲れ様ですね。」 「ははは、それは疲れたよ。ありがとう。」 「いえ、ところで大場さん」 「何かね?」 「私、悪化してますかね…」 「じゃあ、今から調べようか。きっと、いい結果が待ってるさ。」 「…はい」
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