助けるのは、当たり前

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助けるのは、当たり前

「助けてくれるのか」 「ええ。ただの通りすがりの女子高生ですが。困っている人がいれば、助けるのが当たり前です」  ブレザーの制服を着た少女は、少し大人びていた。限りなく澄んだ黒い瞳に、筋の通った鼻。引き締まった顎が、利発さと、どこか異国を思い起こさせる。  左目の下に、小さなほくろが印象的だ。  髪は、少し茶色が掛かった須ショートのストレートヘア。 「ここは危険ですよ。あちらへ行きましょう」 「済まない」 「肩、貸します」
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