【摩天楼の路地裏】

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絡み酒のトニーが 今夜も同じ事を聞いてくる 「お前の歌は下手くそだ だけどそのピアノには艶がある 誰か聴かせたい女でもいるのかい?」 俺は決まってこう答える 「そんなのいないさ 俺はここに居る あんた達の為に弾いている それだけさ」 トニーは鼻をすすり ご機嫌で帰る 一番安い酒も飲めないチップを 俺の胸元に突っ込んで
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