9人が本棚に入れています
本棚に追加
prologue
気持ちの良い風が、俺を横切った。
綺麗なオレンジ色の夕日が、優しく波打つ海面を照らす。
あたたかいイメージを持つオレンジ色と、冷たいイメージを持つ深い青色。
そのふたつが海面上で重なり合って、独特な色を生み出している。
この景色が1番よく見えるのは、“みんなの昆虫広場”という名の公園の高台。
俺の、お気に入りの場所。
ここから見る 海と夕日は本当に綺麗だ。
でも、あの日 君と見たあの景色は、この世のものだと思えないくらいに美しかった。
俺が、毎日のように見ている、この景色とは比べものにならないくらいに。
もう、あの景色は見れないのだろうか──。
最初のコメントを投稿しよう!