prologue

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気持ちの良い風が、俺を横切った。 綺麗なオレンジ色の夕日が、優しく波打つ海面を照らす。 あたたかいイメージを持つオレンジ色と、冷たいイメージを持つ深い青色。 そのふたつが海面上で重なり合って、独特な色を生み出している。 この景色が1番よく見えるのは、“みんなの昆虫広場”という名の公園の高台。 俺の、お気に入りの場所。 ここから見る 海と夕日は本当に綺麗だ。 でも、あの日 君と見たあの景色は、この世のものだと思えないくらいに美しかった。 俺が、毎日のように見ている、この景色とは比べものにならないくらいに。 もう、あの景色は見れないのだろうか──。
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