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遼一も自分の部屋に戻ると、ベッドに腰を下ろした。
妙子からキスをされた唇に指先を当てる。
あんな風に激しい妙子は初めてで、妙子の芯の強さがよく分かった。
俺だって妙子さんが好きだ。
でも、どうすればいい?
本当は離れたくない。
ずっとそばにいたい。
でもそれは俺のわがままだ。
彼女だって、身も心も愛されたいに決まってる。
でも、俺はそれが出来ない。
目を瞑れば、妙子の笑顔しか思い浮かばない。
好きだと言われて、本当は嬉しくてたまらない。
でもいつか。
妙子が、遼一との生活が現実的ではないと目を覚ましたら、遼一はその時妙子に去られるのが怖い。
情けないな。
俺は、結局逃げてばかりだ。
色々言い訳をして、自分が傷つかないように生きてきただけじゃないか。
遼一は妙子とのキスを思い出し、キスされたことが気持ち良かったと思った。
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