大失敗予兆

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大失敗予兆

カチャ そのBARの扉を開く 「マスター、今日も来ちゃった!」 マスターのその落ち着いた雰囲気と優しい声 「おっ、正美ちゃん、こちらの席にどうぞ。今日も可愛いね!そのネックレスも素敵だよ。」 私は可愛いねと言ってくれるマスターに照れつつ、ネックレスの話で誤魔化す。 「えっ、本当に?ありがとう。嬉しい。」 「このネックレスはね、この間、お母さんと、日帰りバスツアーに行ったんだけど、ツアーで組み込まれていて、ジュエリー屋さんに立ち寄ったんだけど、一目惚れして買っちゃった。ちゃんとシリアルナンバーが付いていて1つだけのものなの。」 「そうなんだね。素敵だね!正美ちゃんには、そんな素敵なネックレスが似合うね!」 「ありがとう。」 「このネックレスね、凄く高かった~、だけど一生大事にしようと思って、ローン組んで買っちゃったの。」 「もう大人だし、良いものを長く使おうと思って。。」 「その考え良いと思う。僕もそう思うよ。」 「60万が30万になったの。ちょっとお値段的に騙されてる感はあったけど、デザインが気に入って買っちゃった。」 「たまには自分のご褒美で良いかもね!でも、それにしても僕には高すぎる。」 ニコッと笑うマスター 私はマスターの接客に上機嫌になり、お酒の手が止まらない。 「マスター、次も何かお任せでお願いしまッス♪」
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