天使の導き

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天使の導き

「あ~もしもし、聞こえてますか?あれっ、何か調子悪いな。」 「もしもし正美、聞こえてる?」 「あっ、真美先輩、すみません。聞こえてます!」 「あ~良かった!聞こえたなら始めれるね!では、乾杯しようか?」 「久しぶりだね!乾杯~!」 同時に「乾杯~」 私は不意に先輩の首元に光るものを見つけた。 そのデザインは私が無くしたネックレスとデザインが似ている。 まだあれから、そんなに経ってないのに、、 この間のショックが癒えないから、全部同じように見えてしまうんだろう、勘違いだろう。 それに、まさか私のかもしれないなんて、失礼だし言える訳がない。 それから、私はそのネックレスに目が釘付けとなった。 真美先輩が先に口を開いた。 「本当に正美久しぶりだね!何か元気そうで良かったよ。あっ、でもこの間、全然元気無かったけど、どうしたの?」 「いや、そんな事無いです。元気でしたよ。」 「嘘だぁ!あんだけ肩落として死人みたいに歩いてたら他人でも分かるわ!」 「実は高価なネックレス、ピアス、ジュエリーケース、全て失くしてしまったんです。探しても見つからずです。何処に行ってしまったんでしょうね。でも私も飲み過ぎもあって、、良い勉強になりました!ローンも残っていて高くつきましたが。。」 「そっかぁ、それは残念だったね。良い勉強になったと思って、今日は飲もう!元気出すんだよ!」 「ありがとうございます!」 「最近、恋愛はどうなのよ?彼氏は居るの?」 「私は全く居ませんが、彼氏のように優しく接してくれるBARのマスターは居ますよ。」 「うん、それは接客だよね。」 「真美先輩~分かってます。でも接客でも私は嬉しくて癒されるので最高なんです。真美先輩は、どうなんですか?彼氏は居ますか?」 真美先輩は照れくさそうに 「う~ん、私は居るよ。」 「結婚しないんですか?」 「うん、すると思うよ。でもまだプロポーズはされてないからね。」 「そうなんですね!でも、もうそろそろな感じですね!羨ましいです。きっと素敵な彼なんでしょうね?」 「うん。凄く素敵な彼だよ。 私の誕生日ね、もうとっくに過ぎてるんだけど、あげたいものがあるからって数ヶ月、待って欲しいと言われて待っていたら、最近このネックレスプレゼントしてくれたの。 後から聞いたら、ある程度ちゃんとしたものプレゼントしたくてお金貯めてたみたい。たまたま見つけたんだって。 でも中古だけど嬉しいんだ。」 あれっ、最近買った中古のネックレス? かなり気になる。私の失くしたネックレスかもしれない。 「そうなんですね!とっても素敵な彼ですね!いくらくらいしたのですか?」 私の失くしたネックレスなら、そこそこ良い値段な筈だ。 「買った場所とか言ってました?」 私の失くしたネックレスなら、もしかしたら、この近辺で買ったのかもしれない、、 「いつ買ったのですか?!」 「正美、どうしたの?急に何か取り調べみたいで、怖いよ。」 はっ、私は我に帰る。これは、突き止めるしかない。そのままじゃ、モヤモヤして寝れなくなる。ヨシッ!私は口を開く。 「真美先輩、もし気に触ることを言ってしまったら、すみません。 実は先程、言っていた私が失くしたネックレスと真美先輩のネックレスが、とても良く似てまして、、 そのネックレスはデザインが特殊で、あるデザイナーがデザインしたもので他には無いものなんです。シリアルナンバーも付いていて鑑定書もありますので、失礼を承知で言わせてもらいます。 シリアルナンバーを確認させて頂けませんか?」 少しの沈黙に耐えきれず私は、 「真美先輩、気に触りましたか?すみません。聞かなかった事にして下さい。」 真美先輩が口を開く 「正美、急にビックリしちゃってフリーズしちゃったけど、気に触ってないよ。だって、もし正美のだったら返さなきゃだし、シリアルナンバー見てみよう。」 ふわ~っと希望の光が差し込み、真美先輩の回りを光が優しく照らし、それはなんと! 天使が現れ導いてくれたかのように感じた。 「真美先輩~ありがとうございます!」 私は涙ぐみながら、鑑定書を取りに行く。 真美先輩が 「じゃあ、2人同時に一桁目から言っていこう?」 せ~の! 6! 0! 1! 1! 3! 8! 9! 1! 凄い!凄い! 私のだ! 見つかった! 私のネックレス! 鳥肌と汗と涙が一気に毛穴という毛穴から流れてきた。 ネックレスを買った際シリアルナンバーは長いけど、デザインは他に無いものと定員さんが言っていた。 紛れもなく私が一目惚れした、あのネックレスだった。 「良かったね!正美!手放すのは寂しいけど、正美に返さなきゃね。近々、ちゃんと警察に届けて正式に手続きしに行こう。私も一緒に行くからさ。」 なんと!天使とは、こんな人の事を言うのだろうか。
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