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2話
「えっ、先生 王都に行くんですか?」
「はい、しかも明日の朝に」
カイの2つ下の3番弟子の
リーシャが作ってくれた昼食を食べながら、
手紙のことをアースは淡々と話した。
「....なんでだ?」
「おそらく....戦争でしょうね
ここの王は領土を広げること、
人を支配することしか頭にありませんから」
ぶっきらぼうなカイの疑問にも
アースは丁寧に答えた。
「と、言うことですので、カイ
明日留守番等、よろしくお願いしますね」
「わかってる」
それからは皆無言で昼食を咀嚼した。
ーーー
朝目覚めると、アースの姿はなかった。
まだ日の出前だと言うのに、
もうアースは出発したらしい。
「....『行ってきます』ぐらい言って行けよ...」
テーブルに置いてある
優しい文字で書かれたメモをカイはそっと撫でた。
かつて、
彼が自分に文字を教えてくれたことを
思い出しながら。
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