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もしも日が暮れたのなら、少年は足を止めただろう。
それに道や川で畑が途切れていても、少年は足を止めただろう。
さらに誰かが少年を見つけて戻るように言ったのなら、少年は喜んで足を止めただろう。
しかしどれも起こらなかった。きっかけがなければ、足は止まらない。終わりがなければ、永遠が続く。
少年が村に戻ることは、二度となかった。
☆☆☆
このような伝承は世界各地にあります。
日本での神隠しの伝承にはじまり、近年の事例ではフィラデルフィア実験やサンチアゴ航空513便事件などが有名です。
時間と空間は常に同一にあるとは限らない。
時間と空間、どちらか一方がなくなったとき、人はどうなってしまうのでしょうか。
そんなこと怖いから考えたくないと思う人も多いでしょう。しかし私はそこに不死から諷示(ふうじ)が見えて、聊かの興味があるのです。
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