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もちろん隣には祟り一文字の人間姿こと丹草君と一緒に手を繋ぎ…………反対側の手には人間姿の雷神、後ろには火の神の人間姿の火子。
あとは風神に夜鴉、銀九尾に穿。
全員人間の姿をしてまるで百鬼夜行……もとい、クラスメイトのように笑顔で話をしながら向かった先は……学校ではなく、私の家。
「え……」
家が目の前に見えてきたためその方向を見ると……玄関の入口でお母さんがまるで私を、私達を待っていたかのように立ち待っていてくれた。
そして声が聴こえるところまで歩いて行くと笑顔でこう言ってくれた。
「おかえりなさい」
「……お母さん!」
私は勢いよく走りお母さんに抱き着くと後ろから付いて来た人達が微笑みながら見ててくれた。
そんな人達に挨拶をして行く中、穿の顔を見ると笑顔から微笑みに変わった。
「どこか面影、ふふ……私ではないのですけど、会えて良かったです、お名前を聞いてもいいですか? あ、もちろん、人ではなくて、妖怪の方ですよ?」
「穿……善居穿ツ」
「あら、……今度、昔話でもしましょうか、ね?」
お母さんの笑顔で穿お爺ちゃん? お父さん? は恥ずかしそうな顔をして頷いた。
それを隣にいた銀九尾が怒った表情をしていたのを微笑みながら見ていた。
「お母さん、お友達とお世話になっている人達、それと私の彼氏」
「随分いろいろな人達なのね、でも大丈夫! お母さんに任せなさい!」
「私も手伝うよ」
「お母様、私! 火子もお手伝いを!」
「私も私! 雷神も手伝う!」
我先と言いながら私の左右から手を上げる二人を見て微笑んだお母さんと他の人達も共に家の中まで入ると扉はゆっくりと閉められた。
そして料理がテーブルの上に運ばれ、全員が席を付くと私はお母さんの顔を見ながら満面の笑顔で言った。
「お母さんお母さん、あのね!」
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