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向井様はご自宅に着くなり私を広げました。そのまま夜が更けていくのも関心がないようで、それはそれは時間を忘れて没頭されておりました。
向井様に身を委ねている間、私はお部屋を拝見させていただきました。
見たところ間取りは1kの慎ましいお宅でしたが、大きな本棚がL字型に備え付けられておりました。
仲間たちが重ねられることも上下逆さに置かれることも他の本により掛られることもなく、ゆったりと腰掛けているのが見受けられます。
この方に選ばれた私はとても幸せ者のようです。
深夜2時ごろ、向井様はあとがきまで読まれて私を本棚に座らせてくださいました。
私もこの家の一員になれたのだと実感が湧くとともにいつのまにか深い眠りについていました。
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