君の死亡が理解できたら pt.1

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人間はいつ死ぬかわからない。 もしかしたら明日死ぬかもしれないし、今日死ぬかもしれない。 だから賢い人は1日1日をとても大事にして生きる。 だけど僕は違う。 特にやらないといけないことがあって楽しめずに時間がすぎてるって訳でもないし、暇がなくて大事にできていない事もない。むしろ暇でしかない。 急に眠たくなって瞼が自然と閉じていく時は「ああ僕はこうやって死んでいくのか」と考える。 起きた時安心するわけでもない。 生き甲斐がない僕にとって死なんていつもの睡眠と一緒のような事だと思っている。 そんな僕にある日、生き甲斐ができてしまった。 美人というよりかは素朴な顔で、愛嬌があるわけではなく少し冷たくて、だけど、不意打ちで見せてくれる僕にだけの笑顔にやられてしまった。 こんな気持ち悪いくらいの綺麗な片想いをするなんて最悪でしかなかった。 加えて、その子が異性と必要以上の会話をするだけで胸が痛くなる自分も最悪だ。 こんなことになるなら早く死ねばよかった。 そう思う自分もいるる反面、こんな最高な人に出会えて、いきてて良かった、失いたくないと考える自分もいる。 嫌気がした。 まさかと思った まさか僕は、一人の人間に恋をしてしまったが故、死にたくないと思ってしまっているのか思った。 頭を抱え込んでその日は眠れなかった。 まるでアニメのような小鳥の声で迎えた朝、無性に泣きたくなって、気晴らしにネットサーフィンでもしようと思い携帯を開いた。 非通知からの不在着信六件と宛先人不明のメッセージ八件 メッセージからして女か。どうせ悪戯だろうと思った。 だがそんな気持ちはあるメール内容で消えた。 「深夜に電話かけてごめんね!私同じクラスの華奈!わかるかな…」 松下華奈。 想い先の人間だった。 どう返せばいいのだろう。 僕の連絡先をどこで知ったの? いや、いやみったらしい。嫌われてしまう。 ごめんね。今起きた。 そんなの聞いてないか。 ここはそっけない返信をして相手に少しでも気にかけてもらうべきか? いや、むしろあざとく返して攻めていくか。 返信一つにこんなに時間と頭を使うなんて。 頭を痛いくらい掻きむしった。 そんな中、一際目立ったメールがあった。
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