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「じいちゃんはなぁタカシ、ゲソが大好きなんだ。ゲソとお酒さえあれば、じいちゃんは他に何もいらん!」
前におじいちゃんの家に遊びに行った時のことが夢に出てきた。
あの時のおじいちゃんはお酒ばかり飲んで顔を真っ赤にしていて、まるでタコみたいだった。
「このユデダコの飲んだくれが!酒ばっかり飲まんと飯を食え!」
そう怒るおばあちゃんにおじいちゃんは手に持っていたイカの足を見せた。
「これのどこがユデダコじゃ!これはゲソじゃ!ゲソ!」
「違うよ、おじいちゃん。おじいちゃんがタコなんだよ」
「いいんじゃタカシ…酔っ払いには正論は通じんけんの、何を言っても無駄じゃ。それよりもなタカシ、じいちゃんみたいな大人になっちゃいけんよ」
「分かったよおばあちゃん。ボク、大人になっても絶対タコにならない!」
目が覚めた僕は、お母さんが朝ごはんを作っている台所に行った。
お父さんも帰っていて、ふたりはケンカをしていた。
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