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なーんて、優しく気遣うフリをしてみる。無理すんのも、毎日みたいに来んのも、こいつの好きでやってることだ。好きにすりゃいい。
「ほんと?」
「ほんと。アユミに会えたら幸せだよ」
更に、2時間くらいでポンと金使って帰ってくれたら最高だけどな。いる時はオープンラストってことも結構あんのがウザい。
「ねぇ、ナンバーワンになったらほんとに一緒に住んでくれるの?」
「ああ。ナンバーワンになりゃ、寮も出られるしさ」
うっそ。
寮なんか入ったことねぇし、そんな約束守ってたら、俺んちはアラブのハーレムだ。つまり、そう約束してる女は数えきれない。
「じゃあ、やっぱり今の店じゃダメだなぁ。店変わろっかな」
アユミがいる店は、名古屋で一番お高いヘルスだ。稼ぎたいなら、ランクは落とせない。
いい頃合いだな。
「どこの店でも客入り変わんないだろ?」
「そうだよねぇ。バックも下がるしなぁ」
「アユミんとこ、会員制だから感染対策もかなりしてるだろ」
ん? 引き止めてんのかって? そんなわけないじゃん。
「まぁね。よそに比べたら、客入りかなりマシだよ」
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