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空気
「…お前ら急に仲良くなったなぁ、サークルもやめるし…」
俺らはずっと一緒にいるようになった
「まぁな、もう男も女も漁るつもりないし、いる必要ないだろ」
小野瀬は他の人にも素で接すようになったから、随分友達が減ったみたいだ
「ま、確かにな」
ここ最近は、あおいと小野瀬と俺でいることが多い
「片根、俺飲み物取ってくる。あおい、手出すなよ、出したら殺す」
小野瀬と二人きりじゃないのはちょっと嫌だけど
小野瀬があおいに対してあからさまに嫉妬を向けるから
それはそれで嬉しいと思ってる
「席外すたび物騒なこと言うのやめてくんない??」
「じゃーな」
「無視カーイ」
「…あおいと小野瀬は仲良いよね」
「…嫉妬?」
「…別に、あおいに嫉妬するほど小野瀬があおいに執着してるようには見えないし」
「何なのお前ら、マジでイチャつきカップル死ねよ」
「独り身乙です」
「二度死ね」
「うける」
「…なぁ、片根って実際小野瀬の事どんくらい好きなわけ?」
「んー…空気、くらいかなぁ」
「え、空気って何?いてもいなくても一緒は流石に酷くね?笑」
「違うって…」
「じゃあなんだよ」
「…秘密」
「おいこら」
「何の話?」
「片根のお前への愛は空気レベルだって」
「何それ泣くんだけど」
空気は、人間が生きていくために絶対必要なもの
「…いなきゃ死ぬって意味だよ……」
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