俺の愛情表現

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俺の愛情表現

「俺、小野瀬の事が好きなんだ…」 何度目かの飲みの途中 片根は俺に告白をした 「ちょっと話しただけだし…俺は男だけど…付き合ってくれないか…?」 「男とか女とか関係ないよ」  そう、関係ない 「小野瀬…」 大事なのは 「好きだよ、片根」 俺好みの人形になれるかどうかだ 俺の愛は歪んでいるらしい 昔は俺からすればそれが普通で 俺からすれば皆がおかしく見えた …最初に感じたのは小学四年生 俺のことを好きだと言った女の子がいた その子は俺の好みを聞いてきた 『ねぇ、髪の長さはどのくらいが好き?』 『スカートとズボンはどっちが好き?』 『長い方が好きかな』 『スカートのほうが女の子らしくて可愛いと思うよ』 俺が答えたとおりの髪型にして、服を着て 俺が答えたとおりの姿になっていくのが嬉しかった これがきっと恋なんだと、俺は思った 中学一年生の頃、一番仲良かった人にそれを話した 恋話をしていて、俺の初恋の話をした 『え…お前マジ性癖やばいじゃん…』 彼の言葉を聞いて 僕は普通じゃないんだと自覚した 『…馬鹿じゃんお前、冗談に決まってんだろ〜』 『あ、冗談かよwマジビビったわw』 以来、隠すようになった それからは、自分のことを好きだと言う子がいたら 俺の好きなように着飾っていった 男でも女でも、従順で可愛らしい子なら誰でも受け入れた 今回だってそうだ 片根はきっと、俺の愛にピッタリだから 俺は、俺の思い通りになる片根が大好きだ 「片根、今日放課後家来てよ」 俺と片根は付き合ってる 「え、でも俺バイトだから…」 俺は思い通りになる片根が好きなだけで 片根自体は全然愛していないけど 「だから、俺んち行く、バイト行く、オッケー?」 「うん…」 「ヤバ…もうイキそう…」 俺は今現在で 多分相当素を出してる それでもこいつは俺を好きでいる 心の底からクズなことに自覚はある だからこそ、こんなやつを心の底から好きでいる片根を笑ってしまう 「ん…勉強…したから…」 俺の都合に合わせては呼び出して 片根に俺のをしゃぶらせた 俺は気持ちいいことは嫌いじゃないし なにより、俺のために頑張っている姿を見ると どんな激しいセックスよりも興奮する 「勉強って?他のやつとやったの?」 「ゴホッ…ちが、動画とか見て…それで…」 「…ごめんごめん、意地悪しすぎた」 こうやって不安そうに縋ってくる 俺無しじゃ生きられないような目が大好きだ 「ね、このまま口に出していい?」 「う、ん……」 俺が望んだことなら何でもする 「っ……」 俺のために存在する、俺だけの人形 「ん…ぐっ……ゴホッ…!」 俺の思い通りになる片根が、俺はこんなにも大好きだ 「飲んで」 ただ、気の毒に思うこともある 「っ……ゴクッ」 「…ね、キスする?」 どんなに俺に尽くしても 「え………」 「…ははっ、嘘だよザーメン臭え」 「……」 「ゆすいできて、そしたらしてやるよ」 俺から本当に愛されることがないから それでも、片根が俺の愛情表現を受け入れる限り 俺は片根が大好きだ
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