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結末
「ねぇタカ……私達もう終わりにしよう。」
「マナ。冗談は今は聞きたくない。」
「冗談じゃない。本気だよ。」
「何で…何でだよ?」
「私は…やっぱり。一ノ瀬先生がすき。」
「は?意味わかんねぇよ。一ノ瀬もお前も今更なんだよ。」
「ごめん…荷物は着払いでいいから郵送して。」
「嫌だ。俺にはマナしかいないんだよ。中一の時からマナだけなんだよ。」
「もう…決めたの…ごめん。」
「マナは俺の事一度でも愛してくれた?」
「愛してたと思う…でも一ノ瀬先生と会って恋が上回ったの…」
「……。もういい。出てけ。」
「ごめん…ごめんなさい…」
「いつでも戻ってこい。」
「……ごめん、今までありがとう。」
私は家を出て、走った。私が先生に恋したあの体育館に向かった。
体育館に着くと鍵がかかっていて体育館のドアの前に座って電話をかけた。
「はい。」
「渡瀬真奈美です…」
「真奈美…」
「待ってます。」
そう言って電話を切った。十五分くらい待つと一ノ瀬先生が走ってきた。
「鍵、開けてください。」
一ノ瀬先生が鍵を開けて、私は黙ったまま、涙を堪えながら、先生の腕を引っ張って体育館の真ん中くらいまで歩いて行った。
「待ってますって言うから教室かと思っちゃっ……」
私は半ば無理やりにキスをした。同時に涙が溢れた。
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