最終章 第二節 「足あと」を辿れば

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ここに一枚のCDがある。 極々ありふれた量産型のCDだ。 だが、そんなありふれたCDに救われた三人の女性がいる。 一人は、二人の妹を献身的に支え続けた心優しい女性。 一人は、姉と妹とは違い、些細な事でもすぐに涙を流してしまう心優しい女性。 一人は、お転婆だけど、二人の姉の為ならどんな困難な事にも立ち向かう心優しい女性。 本来であれば、時空を幾度となく飛び越えた千野 樹の行動は決して赦されることではない。 たとえそれが三姉妹を生命(いのち)を救ったとしても。 ・・・だから。 「そろそろ行くかジェシー!」 「ええ!」 待ってなさいよ千野 樹! 私がこの手であなたを捕まえてあげるから! 高祖母(いつかちゃん)が残してくれた『桃色戦隊 プリティー(ファイブ)』のCDをPoliceジャケットのポケットに忍び込ませると、私は相棒と共に遥か彼方(過去)へと飛び立っていった・・・。 【完】
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