10人が本棚に入れています
本棚に追加
あの事件は、勝浦さんと私が初めて担当した殺人事件だった。今では難事件を解決している勝浦さんも、あの事件は未だに解決出来ていない。
そして今回の事件が、その事件に関係しているかもしれないという事だ。
今度こそ犯人を暴き、捕まえることができるかもしれない。
ー 翌日
「勝浦さん!昨日の事件、どうでした?」
「ああ、恐らくあの事件との関係性を疑って間違いはないだろう。」
「やはりそうでしたか…」
「ところでお前、今日はやけに早いな」
「いつもです!!」
「あはは、そうかそうか!」
「バカにしないでください!!」
「はいはい、仕事するぞ」
「むー、…はい!」
私は事件の報告書を読み、確信した。
この事件は、あの事件と同じ犯人だ。
なぜ今になってまた現れたんだ…
私と勝浦さんは、現場に行くことにした。
「何かあったか?」
「いえ、まだ何も」
ー ガサガサッ
「…っ!」 何かがいる。
「誰だ!何をしている!」
私は咄嗟に声をあげた。
「す、すいません…怪しいものではないんです!」
「私は警察だ!君、名前は?」
「…森 桜花、です。」
「森さん、ここ勝手に入ったらダメな場所です。知ってましたか?」
「はい…認識は、ありました。すいません」
「今回は反省もしてるようなのでいいですが、次はないですよ!いいですね?」
「っ!ありがとうございます!」
「…」
「…?」
「いや、帰ってください!!」
「えと、あの、まだ調べたいことが…」
「調べたいこと…?」
「そのぉ、私、研究者でして…」
「研究者…」
「はい、それでこの足跡を少し、調べていました。」
「足跡を?」
「そうです」
「…なぜ、足跡を調べてるんですか?」
「研究者といっても、UMAについてなんです」
「UMA…?」
「UMAです。この足跡は、UMAのものですよ!!」
「何言ってるんですか?全く、これは人間のものです。殺人事件の現場ですよ?ここ」
「殺人事件…、それはこの足跡の持ち主であるUMAの仕業かと思います。」
「だから、これは人間の足跡です!!」
「いいえ違います!よく見てください!」
「…」
確かに、人間の足跡には見えない…
似ているようにも見えるけど、
それは全く違う。
UMA、そう言われた方がしっくりくる程に。
最初のコメントを投稿しよう!