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そして、
今、瑞基に紹介された人は、抱かれたい男と言われるのが分かるような
黒髪をかるく流し、キリッとした顔つきでありながら甘い雰囲気が漂い落ち着いた感じの男性だ。
紹介してくれた瑞基は、さっさと蒼さんの所に行ってしまい、気まずそうにしていると、奥のソファ席を勧めてくれて、名前を改めて教えてもらった。
“漣”という字はさざ波を意味するといわれ、ほんとうに綺麗だと思った。
話をして漣さんの人柄が分かっていくにつれ、もっと話をしたい、もっと一緒にいたい、もっと・・・漣さんを知りたいと思っていると
「このあと、一緒に過ごしてくれるかな?」
これって、さそわれてるってことでいいんだろうか?
初めての人が漣さんならいい思い出になるかも知れない。
瑞穂だって、漣さんのことを優良物件って言っていたし。
なにより、漣さんともう少し一緒にいたい。
「はい」
俺が答えると、にっこりと笑って
「じゃ、行こうか」
そいうと、軽く手を上げて店員を呼ぶと会計を済ませた。
「あの、俺の分を払います」
「こういうのは、大人にまかせなさい」
「ご・・ごちそうさまです」
漣さんはにっこりとほほ笑むと、僕の腰に軽く手を添えて出口に向かった。
「あっ瑞基、あの・・・」
一瞬、驚いた表情をした瑞基だが、すぐに
「ごゆっくり」と言って手を軽く上げた
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