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かわいいひと~漣~
グラントから数分のところにあるホテルまで二人並んで歩いてきた。
「男同士だと入れるホテルが限られていて、数少ないホテルの一つなんだ」
「そうなんですか」
なんとなく落ち着かない感じの界人に
「緊張してる?それともやっぱり怖い?」
この子に無理強いをしたくない、少しずつ距離を詰めてもいい
わたしは、会ったばかりの界人に恋をしたのかもしれない。
「大丈夫です、ただ、こういうところに来たことが無いから・・・・・」
「なら、よかった。部屋はどうする?界人が選んでくれ」
部屋のパネルを指さすと、
食い入るようにパネルを見ている。
「あっ、すみません。面白そうなところがたくさんあって、迷いますね」
そう言って迷いながらも部屋のボタンを押した。
部屋に向かうため並んで歩いていてると
「あまり人に会ったりしないんですね、よかった」
「時々、会うことがあるよ。ちょっと気まずいよね」
「そうなんだ」
界人を抱き寄せて頭に手をのせ自分の胸元に顔を向けると、一瞬、身体を堅くしたが
「これなら顔がみえない」というと
「そうですね」と言ってからふふふと笑って身体を預けてきた
部屋に入ると
そこは
監獄だった。
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