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さようなら
「私たち、もう終わりにしよう」
教室前の廊下、誰も居なくなった放課後、彼女は突然そう言い放った。
僕は何も言えずに、その表情を見つめた。彼女は申し訳なさそうに視線を落とし、目を泳がせた。
「…わかった。君がそう言うなら…」
単なる強がりだった。本当は別れたくなかった。本当に 彼女が好きだったから。
彼女はそれを聞くと、静かに振り返り、自分の教室へと帰って行った。取り残された僕だけが、廊下に立っていた。
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