さようなら

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 受験を控えた夏の終わり、僕は彼女と別れた。それまでは必死になって取り組んでいた勉強も、今一つ力が入らない。  何もかもがどうでもよくなった。僕には彼女が全てだったから。初めて付き合った女性。僕の方がぞっこんだった。  告白を受け入れられたとき、身体がはち切れんばかりに嬉しかった。中学校を卒業する前からずっと好きだったから。やっとの思いで付き合えたのに…それもわずか1年で終わってしまった。  僕の何がいけなかったのだろう。何が足りなかったのだろう。もうやり直すことはできないのかな。  そんなことばかりが頭に浮かび、勉強なんて手に付かなかった。意欲喪失した僕は生きる屍の如く、それでも仕方なく学校へと通った。  学校に行っても、彼女の姿を探してしまう。渡り廊下の先、ベランダから見下ろす中庭。我に返って、慌てて視線を移すも、数秒後には彼女のことを考えている。どうしようもない。
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