さようなら

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 一日の授業を終え、帰路に着く。この時期になると、3年生の全部活は終わり、本当にやるのは勉強だけ。何とも空しい。僕は下駄箱から駐輪場に向かうまでのわずかな歩道を、ふらつきながら歩いた。 「ん?弘じゃねぇか!お前、ここの高校だったのか!」  突然、声を掛けられ、僕は声の主を見た。  現在、ウチの高校では新しく講堂が建設されており、その現場に来ていた1人のおっさんが僕の目に入った。 「あれ?慎二のお父さんじゃん。何やってんの?」  慎二は小学校からの同級生で、小中学生の頃は一緒に遊んでいた。別々の高校に入ったので、最近はあまり会わなくなったが、おじさんとは通学路で何度も顔を合わせており、僕にとっては近所の気のいいおじさんだった。
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