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 突然の大きな音に僕は身をすくめた。そして音のした講堂の方を見た。中から大声が聞こえる。どうやら誰かが怪我をしたらしい。  周りにいる生徒が集まり、すぐに人だかりができた。すぐに何人もの先生が集まり、中を確認した。作業着を着た建設関係の人もみんな集合している。僕も現場に近づき、その様子を見ていた。あっという間に、講堂周辺は大勢の学生で埋め尽くされた。 「どうしたの?何があったの?」 「けが人が出たらしいんだ。今、救急車が来るみたい」  状況が分からないまま、時間だけが過ぎていった。誰が怪我したのか、怪我の具合はどの程度なのか、外からは窺い知ることはできない。しかし中にいる作業員の人たちが慌ただしく動いているのは分かった。  どうやらちょっとした怪我ではなさそうだ。そうこうしているうちに、遠くから救急車のサイレンが聞こえてきた。
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