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Prologue~今は亡き貴方への物語(ストーリア)~
無駄な物は、この世に一つとしてない。
あらゆる物が、一つの物語を構成する重要なパーツとなるのだ。
「…ヤだ…」
燃えていく。
「ヤだ…ヤだ…」
燃えていく。
「いかないで…」
火葬炉の中。棺の中。
「いかないで…」
あの人が、燃えていく。
「独りはヤだ…」
肉が、皮膚が、血液が、
「独りはヤだよぉ…」
溶ける様に、燃えて、消えていく。
…タブレットを、抱きしめる。
私に託された、彼の形見。遺品。
きっとここには、大量の原稿が眠っている。
二度と完結する事の無い、彼の紡いだ物語達が。
いつか読んでみて、なんて、彼はそう、言っていたけれど。
…けれど、未完の原稿を読める程、私は、強くは無くて。
さりとて、このタブレットを破壊出来る程、潔くなれる訳でも無くて。
…きっとこの物語達は、このまま死んでいく。
このタブレットの中で。
冷たい、冷たい、箱の中で。
…………違う。
この物語達は、勝手に死んでいくんじゃない。
私が、殺すんだ。
本当なら、誰かの心を癒やし、動かす筈だったのに。
私が、あまりにも無力だから。
私が、あまりにも冷酷だから。
私が、この物語達を、殺すんだ。
…………それは、
それは、ヤだなぁ。
「それなら」
隠してしまいましょう。
「深淵の奥の、更に深く」
いくつもの箱の中に、いくつもの鍵を掛けて。
「どんな形にしようかな」
木を隠すなら森の中だよね。
「沢山の本の中」
沢山の想いの中。
「誰にも触れられない場所」
誰にも見られない場所。
「彼はきっと赦してくれる」
彼はきっと理解してくれる。
「だって彼は、私を愛していたから」
だって私は、彼を愛していたから。
「私ならきっと出来る」
私ならきっと出来るよ。
「大きなやつ」
煌びやかなやつ。
「彼ならきっと喜んでくれる」
彼ならきっと笑ってくれる。
「ここを私達の、お墓にしよう」
ここを私達の、お墓にしよう。
♪
西暦二一三二年。
終末預言者達の預言は、結局成される事はなかった。
核戦争も、ウイルスによる人類絶滅も、起きる事は無く。
人類は、確かに、生きていた。
「フタバぁ、このデータ、誰が登録担当なのぉ?」
「…ヒトミ…貴方がぼーっとしているのはいつもの事だけれど、そこまで頭ゆるゆるとは思わなかったわ…」
「私登録担当が誰か分からないぐらい頭ゆるゆるじゃないもん!
ほら見てほら見てぇ!」
「全く…私が確認するわ。見せてみ…………え、誰これ」
「でしょぉ!?」
…勿論、国対国の諍いが無かった訳では無い。
時として、終末戦争に発展するかもしれない状況は何度もあった。
しかし、人類はそれでも、致命的なミスを犯す事無く。
こうして今日まで、平穏に、時にシリアスに、生き続けていた。
「…イツワ?とりあえず現状を教えて頂けますか?」
「データを運ぶカートって乗って滑ったら楽しそうだなぁって思ったから乗ってみた!」
「…で、シグレはいったい…」
「…学術的にとても興味がある」
「まぁまぁそう怒んなさんなってミツキさんやー」
「…いえ、怒ってはいないです」
「…それなら、ミツキはどうして震えてる?」
「…………私も乗りたいですっ!」
「よっしゃ許可出たれっつごーっ!」
「…ごー」
人類の生存と共に、人類の科学技術はあらゆる分野で発達した。
無論、善意ある分野ばかりでは無かったが…それでも科学技術は確かに、人類に恩恵をもたらした。
そしてとある科学者が、あらゆる技術を…必要とされる電脳工学以外のあらゆる技術を使い、とある場所を創った。
あらゆる意味で超々高度なオンラインデータベース。それが、とある科学者の創った場所だった。
「おらおらー!おーしーごーとーのー邪魔すんなー!」
「えー良いじゃんナツミー」
「お母さんが司書さんと話してるから暇なんだよー」
「遊んで遊んでー」
「だったらお母さんと一緒にいろー!迷子になっても知らねぇぞー!」
「ナツミー、ちょっと聞きたい事があるんだけれど今良いー?」
「ムク良い所に来た!このガキ達どうにかしてくれー!」
「…………と思ったけれど、忙しそうだからこっちで調べるねー」
「ああああああああムクぅぅぅぅぅぅぅぅ行かないでくれぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
…そこは、人が想いを遺す場所。
そこは、人が想いを託す場所。
そこは、人に遺言書庫と呼ばれる場所。
…これは、遺言書庫を預かる、七体の司書達の、
…人に造られた者達の、想いを巡る物語。
…………の、ある日を追った物語。
♪
『ねぇ、こんな話、聞いた事ある?』
ここで…利用者さんに遺言書庫と呼ばれるここで、時折聞く噂話がある。
『どんな話?』
『ほら、最近良く聞くあの話』
『…ああ、あの話ね』
それはほんの少しだけ恐ろしい、怪奇の話。
『…やっぱり、良く聞く見た目?』
『うん。
…青白くて、ゆらゆら揺れてて…何かを探しているみたいだった』
曰わく。
この遺言書庫には、幽霊が出るらしい。
青白く、ゆらゆら揺れていて、それ以外の一切が不定形、身長すら見る者によって変える幽霊。
…ただ。
ただ、一環している事がある。
…その幽霊は、何かを探しているかの様に、彷徨い、様々な所に出現するらしい。
その点だけは、誰から話を聞いても、必ず入っていた。
…そして万が一、その幽霊を見てしまったら…。
「魂を『エリアオブガフ』に連れて行かれてしまうそうです…っ!
フタバ!どう思いますか!?」
「…………じゃあ聞くけれど、ミツキはその噂話はいったい誰から聞いたの?
見たら『エリアオブガフ』に連れて行かれてしまうのでしょう?」
「え?
えと、私は、利用者さんから…」
「その利用者さんは誰から?」
「知り合いの利用者さんから…」
「その利用者さんもどうせ別の利用者さんから聞いたんでしょう?
噂話や都市伝説が広がる典型的なパターンじゃない…」
「…た…確かに…」
「…ま、ここにそういう話があったとしてもあまり驚かないけれどね、私は」
「?」
「だって幽霊っていうのは想いに呼応して出て来たり呼ばれたりするんでしょう?
それならここだって例外じゃない…というよりここ程想いで満たされた場所なんて、そうそうある物じゃないわ」
「ふ、フタバは怖くないんですか…?」
「幽霊の正体見たり枯れ尾花…どんなに未知の物でも、きちんと考え、見極めれば、案外拍子抜けするぐらい普通の物だったりする物よ」
「な、なるほど…!」
「だから決して理論武装をして怖さを紛らわしている訳じゃないわ。ええ本当よ?」
「え?あ、はい、別にそこは疑ってないですけれど…」
「…」
「…」
「……本当に怖くないからね?」
「は、はい」
「……」
「……」
「………でもミツキが怖かったら今日一緒に眠っても良いのだけれど!?」
「あ、いえ、大丈夫です」
「………」
「………」
「…………本当に怖くない!?本当の本当に!?」
「わぁ怖いです!とっても怖いです!
あー誰か一緒に眠ってくれませんかねー!?」
「しょうがないわね!一緒に眠ってあげるわ!」
「わ、わぁい…ありがとうございます…」
…なんてやり取りをフタバとお昼休みにした、その日の午後。
返却されたデータを棚に戻しながら、考える。
ここ…遺言書庫と呼ばれるオンラインデータベースに保管してある無数のデータは、ただのデータじゃない。
どれもこれも、現代でさえ到底追い付けない遺言書子の超々高度なセキュリティを信頼して遺し、託された物ばかりだ。
それらは、込められた想いの違いこそあれど、想いが込められている事に間違いは無い。
想いを糧に幽霊が生まれるのなら、確かに遺言書庫は絶好の場所だろう。
…けれど…それなら噂で聞く以上の数、種類の幽霊がいてもおかしくはない。
それにここはオンライン上に構築された世界。全てはソースコードと呼ばれる文字列によって構築されている。
…そのソースコードの中に、幽霊なんて未知の概念を組み込める物なのだろうか…?
「…………あの」
「うっひゃああああああいっ!」
意識の外。
なんの突拍子も無く声を掛けられたせいでおかしな悲鳴を上げてしまった。
初めて出したこんな声…というかびっくりしたびっくりした…!
「…あの、大丈夫…?」
「あっ、はいっ!全然大丈夫ですっ!」
「…そうは見えないけれど…立てるの?」
「だ、大丈夫です…」
びっ…くりしたぁ…!幽霊の事ばかり考えていたから本当に幽霊が出たのかと思ったぁ…!
「それで、ええと、どうかしましたか?」
私に声を掛けて来たのは、多分まだ十歳にも満たないであろう女の子だった。
遺言書庫は図書館の役割も持っているし、親子連れで来館する人達も多々いる、子供がいるのは大して珍しい事じゃない。
「…もしかして、迷子ですか?」
問に女の子はふるふると首を横に振った。
「…お勉強のノート、落としちゃって…なかなか見つからなくて…」
「分かりました。
私の方でも探してみますし、他の司書にもご連絡します。
見つかったらご連絡するので、IDを見せて頂けま」
「一緒に探して欲しいのっ!
…落としたの、お母さんに知られちゃったら、怒られちゃう…」
女の子の瞳には表面張力でどうにか零れていないぐらいの涙がたまっている。…なんだか訳ありみたいだ。
「…分かりました。
それじゃあ一緒に探しましょう」
「…っ!
ありがとうっ、司書のお姉ちゃんっ!」
女の子はまだちょっと涙目だけれど、それでも満面の笑みを浮かべてくれた。良かった…。
「…あ、でも、探索の目を広げる為に、一応他の司書にも情報を共有しますね。
大丈夫です、お母さんには絶対に言いませんから」
「うんっ!」
「ええとそれじゃあ…どんなノートですか?」
「お花の柄のノートで、私の名前が書いてあるよっ!」
「お名前は?」
「アマタ クオンって言うの!」
「クオンちゃんクオンちゃん…良い名前ですねー。
私は司書のミツキと言います」
「ありがとうっ!ミツキお姉ちゃんっ!」
お姉ちゃん…ミツキお姉ちゃん…なんだかこそばゆい…!
ミツキ:なるほど、これが萌え…!
ナツミ:どどどどうしたミツキ!なんか悪いバグでも貰ったのか!?
ミツキ:あっ!いえっ!
えと、その、全体連絡です。落とし物情報を求めます。
特徴は花の柄のノート、アマタ クオンとの名前ありだそうです。
見掛けたら連絡を下さい。
シグレ:…今カウンターにはそういう落とし物は来てない。
ナツミ:来たら連絡するぜー。
ヒトミ:私達も見掛けたら連絡するねー。
フタバ:了解。
イツワ:おっけー。
ムク :はーいよー。
「…ミツキお姉ちゃん?」
「あ、いえ、今他の司書に連絡していました。
それじゃあ行きましょうか」
「うんっ!」
「わぁ…わぁ…!本がいっぱい…!」
とことこ、とことこ。
私とクオンちゃんは、広い広い遺言書庫の中を歩き回っている。
クオンちゃんはこうして遺言書庫を歩き回るのは初めてなのだろう、目をきらきらさせながら辺りを見回していた。
「蔵書量は一億を超えます。多分世界一、二を争う蔵書量なんです。
…えー、ここ遺言書庫に保管されているデータの約五割はパブリックデータ…超長期、後世に遺すべき著作権の切れたデータだったり、利用者のご好意で寄贈されたデータです。
残りの三割は官庁から管理を委託された個人情報や機密となります。…当然ですが、こちらのデータは私達司書しか取り扱い出来ませんし、権限を持つ方しか閲覧出来ません。
そして残りの二割は、ここが遺言書庫と呼ばれる理由になっているデータとなっています」
目を閉じ、流れる様にチュートリアルを開始する。
ただ歩いているだけだとクオンちゃんもつまらないだろうし、クオンちゃんもなんだか楽しそうに聞いているし。
「どんなデータなの?」
「ここが遺言書庫と呼ばれる所以…それは、亡くなった方々が遺した想いを、次の誰かに託す役割を担っているからなんです」
…かつて、誰かが希った。
自分が死んだ後、どうか書き掛けの物語達に…自分が生きている間に生まれる筈だった物語達に、命を与えて欲しいと。
そうして、ここが創られた。
そう希った誰かがいたから、ここが創られた。
自分の死後、膨大なアイデアやプロット、書き掛けの小説、デザイン、絵画の下書き…そういった物を保管し、管理し、適切な人材に託す…この場所が。
だから利用者には遺言書庫と…遺された言の葉を、想いを司る書庫と、そう、呼ばれているのだ。
「これが私達司書に任されたお仕事です。
…どうでしょう?少しはクオンちゃんのお暇潰しになれましたか?」
「…」
「…クオンちゃん?」
「…す…凄い…!
司書さんってかっこいい…!」
あ、クオンちゃんのキラキラが更に増した。
そ、そんなにかっこいいのかな…私が私になった時からこうだったから、良く分からないけれど…。
…うん、なんだか照れ臭いけれど、ちょっと嬉しい。
「…けれど本当に無いですねー…うーん…」
色々とお話しながら結構な時間探し回ったけれど…一向に見つからない。
それに、他の司書からの発見の連絡も無い。
もしかしてもう既に他の利用者さんが拾ってしまったのだろうか…?
「ねぇねぇ、ミツキお姉ちゃん」
「?クオンちゃん、どうかしましたか?」
「あそこのお部屋行ってみようよ。
もしかしたらあそこにあるかもしれないよ?」
そう言って指を指した場所は、今まさに私が話していた…遺された言の葉を、想いを司る、ここが遺言書庫と呼ばれる所以にもなる場所。
私達司書が【想起】と…想い起こし託す場所と呼ぶ場所。
「早く行こ?」
「…多分そこには無いと思いますよ?」
今日は誰もここには立ち入っていない。
…うん、間違い無い。
ここに立ち入れば必ずログと呼ばれる足跡が残るけれど、何度確認しても誰も入った形跡が無い。
つまりはここに、クオンちゃんのノートは無い、という事だ。
「だから他の場所に…」
「行こ?」
「いえ、だから」
「行こ?」
「あの、クオンちゃ」
「行こ」
クオンちゃんがまっすぐ私を見る。
…怖い。
その目が。
…あれ。
クオンちゃんって、こんな…こんな、人形の様な目をしていたっけ…?
「クオン…ちゃん…?」
「どうしたの?」
瞬きの直後。
クオンちゃんは、今まで私と一緒にいたクオンちゃんに戻っていた。
…今日一日歩き回って疲れたのかな…。
…あまり、行きたくないな…。
【想起】の中は、いつもひんやりとしている。
勿論ここは電脳の世界、温度も湿度もあった物では無い。
だから、この肌寒さは錯覚。
システムがその場の状況を、触覚として肌に伝えているに過ぎない。
…けれど、本当に錯覚かと、本当にシステムかと思ってしまう程、ひんやりしているのだ。
しかもそれを感じるのは司書の中でも私だけ…だから私はここがあまり得意じゃない。
「…あ、あの、クオンちゃん」
ここには無いみたい。
だから早く出よう。
そう告げる前に、
「…クオンちゃん?」
いない。
クオンちゃんが、どこにもいない。
さっきのさっきまで、私のすぐ傍にいたのに。
「クオンちゃん?…クオンちゃん!?」
あたりを見渡しても、クオンちゃんがいない。
IDで居場所を…あ、クオンちゃんのID聞いてない…!
「クオンちゃん!?返事をして下さい!…クオンちゃんッ!」
落ち着け。落ち着け。
クオンちゃんはまだこの【想起】の中にいる。
だって私の真後ろに出入り口があるんだもの。
扉にロックを掛ける。
このロックは私達司書にしか解除出来ない。クオンちゃんが解除するのは不可能だろう。
後は、走る。
【想起】は広くない。
とにかく走る。
走って走って走って、クオンちゃんを探す。
「クオンちゃーん!?クオンちゃーーーーん!?」
走る。
走る。
走って。
走って。
…………ようやく見つけた。
「クオンちゃん…?」
クオンちゃんは本棚の前に立っている。
本棚の前に立って…本の形をしたデータを、手に持っている。
あれは。
クオンちゃんが手に持っているあれは…なんだ。
形は確かに、【想起】に収められているデータだ。
けれど。
なんでだ。
なんで表紙の文字の全てが、文字化けしているんだ。
データの表紙には必ず対応した司書の名前や詳細な情報が書かれている。…勿論、文字化けなんか起こる訳も無い。
それなら。
【想起】に収められていたと思われる、クオンちゃんが本棚から取り出したと思われる、あの文字化けしたデータは、いったいなんだ。
「ありがとう!ミツキお姉ちゃん!
やっと私の探し物が見つかったよ!」
「それは違いますっ!
それは遺言書庫のデータですっ!クオンちゃんの物ではありませんっ!」
「ううん!これは私の物!私が探していた物!
勝手に色んな所に行っちゃうから、こうして探して回収しないといけないの!」
クオンちゃんは満面の笑みでデータを抱きしめる。
聞いた事が無い。
データが勝手にどこかに行ってしまう事も、それを回収する司書がいる事も。
危険だ。
クオンちゃんは、遺言書庫にとって危険な存在だ…!
―敵対者認識、武装の行使の許可を要請。
―要請を許可。ご武運を。
瞬時にハンドガンが右手に生成され、銃口をクオンちゃんに向ける。
「ありがとう!ミツキお姉ちゃん!
きっとミツキお姉ちゃんがいなかったらこのデータは見つからなかったよ!」
…それでも、クオンちゃんは満面の笑みを絶やさない。
危険?そんな物じゃない。
クオンちゃんは…こいつは…これは、なんだ?
考えるより先に、体が動く。
引き金に掛けられた指に、ぐっと力が込められる。
「それじゃあまたね!ミツキお姉ちゃん!」
瞬き。
0.60秒の暗黒。
…その時間で、クオンちゃんが、目の前から消えた。
あの後、クオンちゃんについて色々調べてみた。
…分かった事は、アマタの名字を持つ利用者さんはこの日遺言書庫を使用していない事。
そもそもIDを持たずに自由に動き回れる利用者はこの遺言書庫ではありえないという事だった。
「…………っていうのが今日の顛末なんです。…皆さんどうしたんですか?」
「ミツキの喋り方結構淡々としてるから余計に怖いぃ!」
「まぁ私は怖くはないけれど今日みんなで一緒に雑魚寝よ私は怖くないけれど!」
「…誰か一人がもの凄く怖がっているとあまり怖くなくなる」
「じゃー今日は夜中まで映画鑑賞だなー。何見る?」
「ホラーとか面白そうじゃない?」
「この状況でそれを提案するとかなかなか根性あるじゃねぇかムク…」
という話をお夕飯の時に話したらそれどころではなくなってしまった…反省…。
ちなみにその日は夜中までみんなと一緒にアニメ映画を見ました。面白かった…!
…そこは、人が想いを遺す場所。
そこは、人が想いを託す場所。
そこは、人に遺言書庫と呼ばれる場所。
…これは、遺言書庫を預かる、七体の司書達の、
…人に造られた者達の、想いを巡る物語。
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