言いなり

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 程なくして、柊の高く大きな悲鳴が上がった。 放つものはおろか出るものも全くなくなった柊の欲望の芯は、何度もなんども細かく打ち震える。 そうしてから力を硬さを失い、絶頂へと達したことを陽光へと伝えた。  陽光の手指は口はゆっくりと柊から離れていった。 舌は柔らかさを取り戻した柊の先端を名残惜しげに一舐めする。 「ふうぅっっ‼」 「さすがにもう残っていないな。今度は飲ませろよ」 呼び水とはならなかったようだ。  未だに荒い呼吸に占拠され続けている柊の唇を労わり、――愛おしむかのように陽光が親指でなぞる。 わざと冗談ごかして言った陽光に促されたのか、柊の唇がノロノロと動いた。 「バカ・・・・・・」  今の陽光の耳には、柊が言う罵詈雑言も睦言にしか聞こえなかった。 実際、言われてこんなにもうれしい「バカ」は初めてだと陽光は思った。 顔が勝手に笑い出してしまい、しかも自分では消し去ることが出来ない。 全く制御(コントロール)不可能だった。 「おやすみ。柊」  耳に直にささやかれて、真っ先に柊は目を開け陽光を見た。 次に口付けを、そして言葉を陽光へと返す。 「・・・・・・おやすみ。陽光」  念願の挨拶を陽光に言うことが出来た柊はその満足さに手伝われてか、すぐさまに眠りの淵を滑り落ちていった――。
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