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『ちょ、ちょっと待ってて! すぐ行くから!』
待っててと言われ、私はせっかくのメイクが崩れないように涙を拭う。
誠が走って近づいてきているのを見ると、砂浜に足を取られないように気を付けながら駆け出した。
「シオン!」
「誠~!」
勢い余って誠の胸に飛びつく。
初めて会ったのに、そんな気がまるでしない。もっと前から傍にいたような気がする。
「シオン。やっと、直接触れられた」
「うん、うん~!」
折角拭った涙が、誠の言葉でまた溢れてきた。
誠が私の手を握る。
私もギュッと手を握り返して、大好きな人が目の前にいる幸せを噛みしめた。
「大好き!」
「私も~! 大好き!」
完
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