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「お勉強とスポーツ、どちらの方が得意でした?」
「そうだな……得意かどうかは別として、幸い当時はどっちも苦でなかった。勉強だと難しいところは兄さんに教えてもらえたし、特段苦手なスポーツもなかったかな」
「好きな教科は何でした?」
「算数と社会。社会は特に歴史が好きだった」
「ちなみに、得意な運動競技は」
「サッカーと……50メートル走?」
今考えれば謎の理論だが、足の速い男子はモテるという風潮が小学生時代にあった。
加えて勉強も出来る、サッカーも得意というのだから、きっと汐見さんは小さい頃から女子人気が高かったのだろう。
私とは住む世界が違う、と率直な感想が浮かぶ。
「旧校舎では1階の端に図工室があったけど、今も同じ造りかな。5年生の時、放課後のクラブ活動で焼き物クラブに入っていたから、図工室で土をいじってたなぁ」
「焼き物を作るんですか?」
「うん、お皿とか小物を」
「小学校時代の汐見さんは活発でもあり、芸術家肌でもあったんですね」
「ははっ、そう言ってもらえて光栄だけど芸術家肌とは違うかな。ただのしがない陶芸クラブ員だから」
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