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元々彼女と僕は
病室のベットが隣だった。
彼女が声をかけてくれて
目が見えない僕に
いろんな物の形や色を教えてくれて
それからたくさん話をした。
話してわかった。
たくさん似ている部分があること。
同い年であること。
生まれつき心臓が弱いこと。
両親と離れて暮らしていること。
入退院を繰り返している彼女だが
退院したあとも遊びに来てくれる。
それがとても救いだった。
それと同時にとてももどかしかった。
一緒にいろんな物を見られたら。
映画を観て感想を話しながら
おしゃれなカフェでお茶したり。
イルミネーションの下を歩いたり。
花火も夜景も、ひまわり畑も。
君となら他の誰とより
ずっとずっと楽しいだろう。
けれど、今日も
僕の瞳には君さえ映せない。
何度も何度も自分の運命を呪った。
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